2020年4月4日土曜日

泥人形

片一方の皿にだけ分銅を山盛りにされた天秤、あるいは花束のように束ねられた大量のヘリウムガス風船を手放すことができず、地面から足が浮きそうになっている人間を思い浮かべてみてほしい。二番目の方が実情をよく表している気がする。就職活動で自分のアピールポイントだとか御社の志望動機だとかを日々捻り出していると、奇妙な意識の高揚状態が訪れる。それはたとえば、新学期の時間割作成期間の気持ちとよく似ている。やる気が実力を追い越してしまっている状態。高揚した意識が泥人形のような実体としての私を引きずり引きずり坂道を登っていく情景が見える。坂道の天辺は見えないし、その向こうは絶壁かもしれない。軽傷で済むうちに意識を手放して転落してしまいたい。という気分でいる。

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