2023年4月9日日曜日

我に返る隙間

近況。

最近のTwitterの不安定ぶりを見るにつけても結局のところ書いた文章がいちばん残るのはブログなのだろう。分散型SNSのFediverseに参入してそれなりに楽しく過ごしているものの、そうまでしてインターネットで不特定多数の個人とつながらなくてはいけない理由はどこにあるのだろうと考えてしまう。本当は真っ白な壁に囲まれた何もない部屋でひとりでぼおっとしていたい。

去年の夏に新しいノートPCを買ったけれど、新しいPC(DELLのInspiron)のキーボードの打ち心地がぺらぺらしていてモチベーションが下がる上にWindows11の動作が不安定なので、結局学生時代から使っているThinkPadのほうを開きたくなる。打鍵感が気に入っているのでThinkPadの無線キーボードをそのうち買おうと思う。

 半年から1年くらいの間ずっと、グレッグ・イーガン『ディアスポラ』、中上健次『地の果て 至上の時』を交互に読む生活をしている。情緒をつかわない読書しかしていない。SFは架空の理論や世界観を理解する読書でなかば技術書を読んでいるようだし、中上健次の文章はくどいくらいに過去の出来事の振り返りを挿入してくれるので、時間が空いて記憶が薄れても困らない。秋幸はあちらの世界でちゃんと生きているので、私が半年くらい放っておいても全然平気なのである。小説で新しい物語を楽しもうとする意欲がめっきり薄れていて、そちらはもっぱら映画で摂取している。ここ1年ほどでインストールした価値観の中に、映画は小難しいものから頭を使わないアクション、ホラー、B級までひとしく娯楽として受け取るのがよいというものがあり、体に馴染ませるべく実践している。

机と椅子を一新した。 去年のGWくらいに買った椅子がとんでもなくごつい代物で、あきらかに私の体格では座り心地が悪いのに、そのときは試座したうえで全然問題ないと思って買ったのだった。この錯覚はどういうことなのだろう。とにかく毎日座面の上で立て膝もしくはあぐらという最悪の姿勢で仕事をしていてこのままでは腰や背中の負担がやばいので、もっと小振りな椅子に買い替えようと思っていた。今ようやく床に足が全面つくことのありがたみを享受している。机も高さを65cm程度に調節できるものにして、家具の配置をすこし変えた。それだけのことなのに空間を濁らせていた圧迫感が嘘のように消えた。

新年度が始まったけれど目下の仕事が暇で暇で勤務時間を持て余している。というのは私があと1週間で職を転じることになっているので仕方のないことなのだけれど、それにしても暇というのはこの世の苦痛の中で二番目に耐えがたい。一番はシーシュポスよろしく意味を見いだせない作業を終わりなく続けることで、これをやるくらいなら死んだほうがいい。

 ブログのドメインを変えようと思って断念した。高校生の自分がなんとなくつけた変なドメインをそろそろなんとかしたかったのだけれど、いざ新しい名前をつけようとしても何かしらの趣味や思想が反映された陳腐な単語しか思い浮かばなかった。ここはずっとそのまま、あの頃の私の稚拙な箱庭のまま。

春のうすぼんやりとした落ち着かなさとぬるい空気が好きではない。それでも今月は自室の居心地をすこしだけ良くすることができたので、この部屋で春が過ぎるのを待つ。

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