ちょっと現実がつらいのでひたすら趣味の話をしたい。People In The Boxを好きな知り合いと会う予定がたったのでそれを心の支えに日々をこなす。前に会ったときこの人は『空気人形』が大好きだと言っていて、私はまだ観ていなかったので話題はすぐに流れてしまったのだけれど、今度はいろいろ話したいことがある。いくつかの伏線が繋がった気がしている。波多野さんの好きな作家はピンチョン、ボルヘス、エリクソンであるという真偽の定かでない数年前の情報を目にしたので暇ができたら読んでゆきたい。去年の文芸誌での対談を読みなおすと、ピンチョンの『V.』とリチャード・パワーズが挙げられていた。ずっと彼らの曲には外国の街並みの風景を重ねて聴いていたので海外文学好きなのはわかるけれど、現代アメリカ文学というところはすこし意外に思う。色彩の統一されたヨーロッパの都市のイメージを抱いていた。ああでもたしかに伝統よりは前衛志向だろうか。国内でいうと多和田葉子が近いと思っている。ひさしぶりに有村竜太朗のソロワークを聴き返す。ときおり放り込まれる殺傷力の高い言葉が、手なずけられた虚構のなかに不意に現れる底の見えない裂け目のようだと思う。匿名的な共感というよりは、ある人生に紐付いた固有の想念への共振を否応なく迫ってくるような声だと思う。しかしプラスティックトゥリーのひねくれぐあいからするとソロのバンドは比較的素直な演奏をするね。フロントマンがソロをやり出したことで逆に元のバンドの特徴が見えてきたというか、今まで魅せられてきたものはこんな変な形をしていたのかと気づかされたところがある。いつのまにか歪さを求めるように慣らされていた。ところで近頃目に見えて会話が下手になっていてこまる。うまいことチューニングを合わせていきたい。西加奈子を読む。めっきり冷え込んできて、素足で歩くとよく冷えたフローリングに吸い込まれそうになる。床暖房がほしい。ふわふわのスヌードをかぶって寝る。
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